古い紙幣から再生紙を作る

~スタートは取引先の相談から~古い紙幣の断裁屑を何とかできないか?
紙幣画像

日本銀行の資料によると一万円札は3年~4年、五千円札と千円札は1年~2年で寿命を迎えると言われています。
寿命が過ぎたお札は、年間およそ3.000tあるとのことですが、お札1枚を約1gとして3億枚が廃棄されていることになります。

現在の処理は、日本銀行の支店内で細かく裁断され、紙幣裁断屑となり概ね半分程度が住宅用建材や固形燃料などとしてリサイクルされているそうですが、その他は一般廃棄物として焼却処分されています。

この相談を持掛けられたことがきっかけとなり、横田では「古いお札を使った現金袋を作れたら面白い。自社の競争力を高めるアピールになる」と考え、どこの製紙会社でもまだ開発に手を出していない分野である「古い紙幣の再資源化」にチャレンジすることを決めたのです。

~成功まで道のりは約2年がかり~紙幣は再生紙に向かない資源だった

紙幣はもともと破れにくく丈夫にするために、天然繊維の中で最も硬質で弾力性のあるマニラ麻など特殊な原材料が使用されています。
このため、通常の古紙再生技術では繊維質を溶かしきれず、溶かそうとするとコストがかかり過ぎてしまうという問題がありました。
この問題を解決するため、地元の機械メーカーと協力しておよそ2年がかりで加工機械を開発。試行錯誤を重ねました。
そして紙幣の断栽屑に水を練り込んだ後、ほかの古紙を混ぜることによってようやく紙幣の再生パルプ化に成功しました。
その後、競争入札を通じ日銀各支店から断栽済みの紙幣の提供を受けてこの新しい技術を確立し、現在に至ります。

この方法は紙幣のインクを抜かずに再生するため、汚れた処理水が発生することもありません。
また、焼却処分されるときに発生するCO2を削減することができるという面においても、環境に配慮した新しいリサイクル方法です。

~紙幣混抄紙、名付けて『金剛』~身近にある紙袋に『金剛』が使われる日へ

私たち横田は、これまで一貫して紙袋の製造に努めてきました。
日常生活をするうえで、気にはならないけどいつも身近にあるのが当たり前の存在である紙袋。
そんな身近なアイテムに我々が創った再生紙『金剛』が使われたら…
リサイクルの可能性はもっと広がっていくのではないでしょうか。

おかげさまで、地元や一部他県の企業さまからこの再生紙への取り組みを理解して頂き、『金剛』を使った商品が少しずつ世間に広まっています。
会社の事務用封筒から、金融機関の現金封筒など…
将来はもっと多くの人の手に渡り、もっと身近にあるのが当たり前の存在になれたらと思います。
そんなことを日々考えながら、横田は一つ一つ袋を作っています。